僕らは弱い

レコーディングは一休み。
しかし早く録音しなくては。時間がない。
が、明日のライブに向けてバイナリキッドはスタジオ練習。


先に着いてたミシガンを見て、ヒロポは愕然とした。
「なんて憂鬱気な男だろうか。」
おいおい、どうしたんだ。思わずニヤニヤ笑ってしまった。
そんくらい元気なかった。
もはや後光が射して輝いて見えるようだった。


練習なんてそっちのけで、ミシガンから、悲しいお知らせや悲しい体験などを聞いて、ヒロポはちょーまー、と思う。


ちょーまー、なみだーでるー
ヒロポピンチ。
タバコ吸いに行こうぜ


練習なんかそっちのけで話をしてたんだけど、突然ぼくらはものすごく歌を歌いたくなって、狭いスタジオに駆け込んだ。


 カーテンが揺れている
 きっと、きみが揺らしてる
 そろそろ僕は、ダメになるらしい


風と木の詩』という歌の終わりの部分です。


ここを、心を込めて歌うのが、うー難しい。
他も難しいけど。歌は全部難しい。


「ボールを置いてくるように!」


わー、わかってる、わーかってるんだけど。
明日のお披露目はちょっと無理かな。
風邪を引いていて、ヒロポは全く声が出ない。
けれど、明日のライブが楽しみだ。


ところで僕らは友達がいなくて時々、というかよく、孤独だなぁ、いやだなぁ、これが寂しいってやつか、と思う。

けれど、ヒロポにはミシガンがいる。
ミシガンにはヒロポがいる。
と、思う。

君ら、どんだけ好おうとんの。
とも、思う。
いいじゃん、がまくんとかえるくんなんだよ、文句ないだろ。