本日は、週に一度の古道具屋七福勤務でした。
ヒロポがパソコンでヤフオクに出品している間に、店主マリオが外から帰ってきました。
以下、店主とヒロポのやりとり。
あ、おかえりなさい。
「店の前に変なやつがいてさ。」
どんなやつだったんですか?
「俺の車にぶつかったとか言うんだよね。」
えっ。
「自転車のタイヤが曲がったとかいうんだよ。そんなのぶつかったら俺だって分かるよ。」
(…それはどうでしょうね。)
「だから、保険屋呼ぶって言ってやった。そしたら、そんなめんどくさいことするなって。」
それは当たり屋ですね!気を付けて下さいね!
「お前いくら持ってんだって聞かれたから、5000円しかないって言ったんだよね。」
えーっ?
「そいつが、じゃあ、5000円で勘弁してやるって言うもんだから、6000円渡したんだよね。」
えっ?
渡しちゃったんですか?
「うん。」
ところで、それ、いつなんですか?
「9時半くらいかな。」
って、ついさっきじゃないですか!
ヒロポ呼んで下さいよ!
「とんだ災難だったなぁ…。」
ひえー…。
じゃ、今から警察呼びましょう。
つーか、呼ばなきゃダメです!
(ヒロポはともかく、前田くんは無職だし、まだ給料もらってないはずだし。)
「警察って110番だっけ?」
そうです。
「110番ってお金かかるの?」
かからないはずです。
(はよかけろ!)
店主は受話器を持ち上げ、…たのだが、
「住所とか聞かれるからやめたっ。」
っておい!
さすがに、どうしようもないな、このオヤジは、と思ったヒロポは、自分が結構イライラして説教モードに入っていることに気付いた。
これは良くない。
店主マリオと信頼関係を結ぶのに、これは良くないぞ!
そこで、以後、過保護に接する事にした。
「それにしても、ケガしなくて良かったです!」
とヒロポが言うと、
「とんだ災難だったよ…。」
と落ち込んでいた。
かなり笑えた。
そのあとも、どんな状況だったのか詳細を聞き出して、ヒロポは大変満足した。
店主はそのあともずっと、
「当たり屋だよね・・・。」
「とんだ災難だったなぁ・・・。」
とひとりごとを繰り返していた。
でも、なぜ「5000円でいい。」と言っているのに6000円あげたんだろう。