最近、ヒロポが週一でバイトしてる古道具屋から毎日のように問い合わせの電話かかってきて疲れます。
今日はその古道具屋「七福」の勤務日。
店主はずんぐりむっくりでヒゲ、あたかもマリオの様な男なので、ヒロポは心の中でマリオと呼んでいる。
最近いよいよ、電話口で、
「このままじゃ潰れちゃうよ!ヤバイよ!」
かなり焦り出した。
やっと気付いてくれた。よかった。いや、よくないけど。ていうか、潰れたことに気付いてないんだよな。マリオは。
今日はレコードプレイヤーをヤフオクに出品するみたいだ。
でも、音出しのために針を替えていたマリオはなんと小さな小さなその針を落としてしまった!
「どこいったんだよ…しくじったなぁ…。クドウさん、ライト照らしてくれるのはいいけど明る過ぎで見えない。と言うか俺が掃除してないからな…しくじった…。」
ヒロポは15分程ぶつくさ言っているマリオに待たされて、何も出来なかった。なので、写メを撮ってニヤニヤしてた。
しかし、このオヤジ……。
ホント終わっとる……。
いっそのこと、後ろから蹴り殺してやろうか……。
灯油ぶっかけて店ごと亡かったことにしてやろうか……。
日に日にヒロポは、殺意が強まって行くのを感じる。
こうなると、自分が恐ろしくなってくる。
「クドウさん、なんか疲れてるみたいだね〜!最近バンドどうなの?」
ヒロポの殺意を察したのか、マリオは気を利かせてコーヒーを買って来てくれた。
いや、優しいんだよな。実はマリオって。
どうしようもなくアホだし、めちゃくちゃムカつくけど。
「マリオさん、ありがとうございます。もう、今日のこの雨で寒くて寒くて。いただきま…っ…!?」
しかし、手に取ったコーヒーは「つめた〜い」のであった。
「クドウさんが頑張ってくれないと困るんだよ…。頼みますよ…。」
まずはあんたががんばれよ…!