帰省3日目

ヒロポのおばあちゃんはもはやサイボーグである。
十数年前に大きな事故をして、左手が不自由になった。その後、機械に挟まれ、肺を半分と胃を半分失った。当然、体内には肋骨の代わりになるようなものが入っている。さらに、自分で運転する車のキャタピラにひかれ(矛盾しているように思うかもしれないが、構造上十分可能です。)右手も不自由になってしまった。喘息と肺気腫で集中治療室に入ったときは、もうダメかと思った。しかし、本当に不死鳥のごとく、奇跡的に生き延びてきた。そして、今回の事故によるだいたい骨の骨折。両手ばかりでなく、足までも奪ってしまおうというのか?


心配と裏腹に、お見舞いに行ったら、祖母はかなり順調だった。
骨祖しょう症もなく、異常に健康だった足の骨をボルトで繋いで、リハビリを始めているらしい。
言っとくけど、うちのばあちゃんマジ鉄人だから!
今回の事故、畑に行くときにやっちゃったんだよ?…つまり、既に老人、既に身体障害者にも関わらず、過酷な農作業を、未だに続けていると言うわけ。
そんな祖母に聞いてみた。健康の秘訣は何かと。


「そうやねぇ。クヨクヨ考えないことと、あと、お茶をとることな。なんでも大雑把でんいいんや。」


非常にありがたいお言葉です。祖母は割と都会っ子で、花嫁修行も完璧だったと言うが、嫁いだ先は小さな農家。慣れない野仕事と御近所からの悪い噂。そんな経験を持つ祖母の言葉なので、心にしみわたる。
ヒロポはお土産の御守を渡し、近況などを話した。
祖母は、感謝することがうまい。
こっちも、感謝されると、すごく嬉しい。
素直な言葉と笑顔。
今日も、「にぃ〜ちゃん、ありがとう〜。」と何度も言われた。


こちらこそ、いつもありがとう。早く元気になって、またいつか、潮干狩に行こうよ。


ちなみに、顔は忌野キヨシローに似ているんだよな。スゴいだろう。