なんでもかんでも人のせいにする

一番悪いのはノストラダムスだよな、やっぱり。
小学校に通っていた頃はノストラさんのことをずいぶん考えた。
1999年、何が起こるのかなー、人類が滅亡したらヒロポも生きてないやろなー、そんとき19歳かー、きっと大学通って、彼女もいるんだろうなー、車の免許もとろう、もしかしたら結婚してるかも知れない。
小学生のヒロポの脳みそはそんな妄想でタプタプだった。
短い人生だと考えたお陰で、いろいろ頑張れたってのもある。
けれど、頑張ったって、幸せ真っ最中だって、
「どーせ死ぬんや…」
と無意識の内に思わせる力があった。
ノストラさんのせいである。


ヒロポは学生生活をエンジョイする傍ら、ノストラダムスの研究もしていた。
宿題の後はMMRを何度も読んだ。
マガジンでやってたミステリー研究マンガね。
次第にヒロポはノストラダムスはやっぱ凄いということに気が付く。
第二次世界大戦のこととか知ってたし。
だから、ヒロポは敬愛を込めてノストラダムスのことをノストラさんと呼ぶようになった。
高校生、大学生になると、いい加減ノストラダムスの予言のことをそのまま信じるということはなくなった。
けれど、予言は絶対当たる!と思っていた。
きっと、世界のどっかでイカレタ電波さんが
「わたしは大魔王…マルスの名の下に…。」
とか言いながら空から降ってくるんだろうな、と思っていた。
ヒロポがやろうかと思ったけど、きっとたくさんのヤツがやるから目立たなくてダメだと思ってやんなかった。


結局、なーんにも起きなかった。


99年の9月にはなぜか彼女が出来た。
あと、お気に入りのバンド、筋肉少女帯から大槻ケンヂを始め、リードギター橘高とドラム太田が脱退、バンドは凍結状態となってショックだった。
ヒロポは茂平とトラウマサブカルパワーを全面に押し出したパンクバンド「その他」の活動を始め、大分のアングラミュージックシーン(猫の額程の)を震撼させていた。
そんくらいかな、事件は。(超個人的)


それからヒロポはノストラダムスのことを、ノストラさんではなく、ダムスと呼び捨てにすることにした。


もう2005年。