春休みも、もうすぐ終わる。
ヒロポは小学校で働いている。新一年生のチビッコたちが入学してくるのが楽しみ。
春は、始まりの季節。
ふきのとうが、もっこりと。
しかし、始まりってなんなのか分からない。
春の前は冬だった。その前は秋で、夏で、春だった。
初めての春は、何千年前？
地球の始まりは？その前はなにがあったの？ビッグバンの前は？
ちんこ！
ヒロポはお父さんの先っぽから出てくる前、何者だったのだろう。
お父さん！あんたのせーしがこんなにでっかく成長しましたよ！
大学生の時、社会科学の先生が「人の始まりはいつか？産まれた時か？受精した時か？堕胎は可か不か。」という課題を出したので、ヒロポは
「人間の始まりは名前が付いてから。
子どもはいかなる理由があろうが、堕ろしてはならない。
しかし、現実に堕胎の仕方の研究が日夜進んでいることも確か。」
という発表したら、先生は何も言わなかった。
その頃は、学生だったから、どうだっていいけどさ、今は、ヒロポが教える立場なんだもんな。いやんなるよ。
とりあえず、チビッコたちに「もう知らないからね！」という言葉だけは言わないようにしたいな。
だけど、かんちょうされたらヒロポ先生だって怒ります。
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