死ぬほど貧乏

2週間ぶりの七福勤務。
七福というのは、ヒロポが月曜日のみ働いている古道具屋さんで、ぶっちゃけてしまうと、店主がアホなため、今まさに、潰れかかっているのです。
主に、店主が仕入れて(拾って?)来た物をヤフオクで売っているのだけど、先週、先々週と売り上げが最悪。何ヶ月も「最悪な売り上げ」状態だと言ってきたけど、ホントやばい。今週はちょっと持ち直した。



店主はヒゲでずんぐりむっくりなため、ヒロポはマリオってあだ名を付けて、心の中で絶叫してる。
そのマリオはひと月ほど前から、交通整理か警備か何か、アルバイトを始めた。(その金でヒロポたちバイトの給料払ってるからどうしようもない。)


「アルバイト、4500円しかもらえないんだよね。」


マリオが愚痴をこぼし始めた、が、んあ〜、4500円っ!?
でも、確か時間短いんでしたよぬ?


「朝6時から9時間なんだよね…。」


時給500円と来たか。
ヒロポはあんたから時給900円もらってるよ?どうなの、それ。


「あっ。そろそろ不動産屋が取り立てにくるから、ちょ!」


ちょwwwwwはこっちのセリフwwwwwww


あーぁ、どっか行っちゃった。
ほかのバイトから、最近の取り立ては優しい大家さんでなく、乱暴な怖〜い人がやって来ると聞いていたので、慌てて電気を消したり鍵をかけたりしてるマリオを見て、ヒロポはつい嬉しくなっちゃった。


戻って来たマリオに、家賃どのくらい滞納してるんですか、と聞いたら、


「死ぬほどたまってるよ…。」


ぬかしやがるからさ、声出して笑っちゃったよ。
マリオさん、ダメですよ〜そんなんじゃあ!


「ハハハ、幾らか分かんないんだよね。言われるままだからさ。アハハハ。」


うん、マリオも笑ってたよ。
これまでにないくらい、ふたりで大笑いした。
仕事、明らかに中途半端だったけど、借金取りが来るから帰らされちゃった。
次の日のバイトの人、大変だったかもな。ごめんなさい。