11日目 その2 怪人、月本正氏 現る


ゲストを迎えてのレコーディングは続くぜ。
アンソニーとイアンの後ろからひょこっと現れたのは月本正さん。
ぼくは、月本さんのこと怪人だと思ってる。
昨日行われた、mirのレコ発ライブでの演奏はすさまじかった。純粋なんだ。音や、仕草や、メロディや歌詞が。子どもみたいなんだ。
ぜひ、この曲で、「人間でないものの声を入れてもらいたい」と思った。


『恐竜に会いに行こう』


恐竜なんて、とっくに絶滅しちゃって、誰もその聞いたことなんかない。
「だから、創造してください」
ヒロポは、むちゃな要求を月本さんにお願いした。けれど、月本さんは、ヒロポの抽象的な説明を租借し、解釈し、自分のものにして貪欲に試してくださった。
何度かやり直しているうちに、あるところで臨界点を突破することができた。
月本さんが、人間から怪人へ、そして恐竜へと変化した瞬間を、ヒロポは感じたぞ!



さらに引き続き、トランペットも入れてもらった。
間奏で合いの手を、エンディングには賛美歌を。
賛美歌を入れてもらうときに、ヒロポは「夕方5時に聞こえてくる、『夕焼け小焼け』みたいなイメージで」とお願いしたら、やっぱりそんな演奏を見事にしてくださった。
音程が外れまくって、でも、だからこそ「聞こえてくる賛美歌」が、この曲の最後に入っている意味はとても重要なことになると思う。