昔の事を思い出してた。
高校の時に、ギャグがさむいやつがいたの覚えてるかね。
休み時間のたびに、僕やI君のクラスに突然やって来て、「体操服かしてくれ」「辞書かしてくれ」「教科書かしてくれ」と様々なものを借りて行った。
しつこくてうぜーやつで、僕ら以外にはあんまり友達いなかったんじゃないかな。
いじめられてるわけじゃないけど、まぁ変な奴だったなぁ。
I君の家に突然訪ねてきて、
「スーパーロボット対戦の新しい奴買ったから見せにきた」
つって、玄関先でひとりでスパロボの魅力について語ってそのまま帰ったらしい。
いちいちギャグを言って、すべてさむいんだから僕らとしても堪んなかったよな。
そいつのあだ名は「サム」だった(笑)。
サムは長崎の結構いい大学に合格したけど、結局、僕と同じ大学に入学して、ドイツ語の授業をミシガンと一緒に受けたりしてた。
ドイツ語のテストが終わったくらいかな。
しばらくして、サムを見かけないなあ、と思った。
僕とミシガンはサムとは違う学部なのであまり気にも止めていなかったんだけど、I君からある日、
「サム、死んじょった…」
と、連絡があった。
突然死だった。
それが、僕の友達が亡くなったはじめての日。
サムと一緒に回転寿司屋に行ったなぁ。I君や他のやつらもいたな。
ジャンケンに負けたサムは大嫌いな「ナスの漬け物の寿司」を食わされて泣いちゃってたなぁ。
あんなつまんないことしなけりゃよかった。
ほんと、サムもN君も、やりたいことあっただろうにね。
サムは兵器に詳しかったなぁ。史学科だったもんな。
突然「ハロウィンのベスト最高!」とか言ってたな。
今にして思うと何もかもが突然なやつだったよな。
僕も、今日のあまりにもすばらしい青空を撮影してみた。
ごめんよ、勝手に真似して。