新成人おめでとう、じいさんじゃ。
TVの中の新成人見て、この中の何人が、本当に何かを成し遂げようとしているのか考えてしまったわい。
せいぜい生きがいの中に安定とやらを追い求めて自分のちっぽけさ、無力さを身に染みさせてくれの。自分の思うようになんて出来ぬよ実際。それでもやりたいことあったら、死に物狂いでやるんじゃよ。
わしは思う。
あのな、人生に楽しいことなんてひとつも用意されてない。ただのひとつもない。わしは「夢を持とう」という言葉好かん。何をしたらよいか分からなくてぐるぐると悩んでるやつの方が好きじゃ。「ぐるぐると」って、意味分かんないじゃと? なったことないやつはわからんし、わかるやつはわかる。そういうことじゃ。
「努力すれば、夢は叶う」というのもわけわからんわい。そもそも「夢」なんてわからんし。常に聞かれるがの。覚悟せい。
日本はリッチになったから、生命に関わる苦労を強いられる人々が少なくなくなってきた。
そのかわり、大人は「夢」を子どもに投影するようになった。優しさや親切のふりして、おぬしに乗っかかるんじゃ。押し付けがましいと思え!
「夢を持たなければならない」ことは「苦しい」ことじゃ。無理に夢を作ることはない。
世の中の事や愛について知らん子どもに「何がやりたいの?」と聞くことは、悪じゃ。
だからの、もしおぬしが「何かやりたいけど何やったらいいかわからん」なら、見方をちょっと変えてやるんじゃ。分かっとるじゃろうが、わざわざ教えとく。おぬしは何も出来ん人間じゃ。周りも助けるふりして優しい言葉しかくれん。地獄じゃー地獄じゃー。
だからの、惨めな人間は惨めなまま必死こいて「やるべきこと」をやっていけばいいんじゃ。苦しみが楽しみにかわる瞬間があるというが、それはマジじゃわ。
どうすればいい?
他人と、ちゃんとケンカするんじゃ。
わがままになっていいんじゃ。
友達100人できたらすばらしいなんて嘘じゃ。大切なたったひとりがおれば、100人でも1000万人にでも仲良くできるんじゃ。みんなに優しい奴、わしは信用せん。もひとつ。嘘つきや他人を利用してばっかりのやつは嫌いじゃアッカンベー。
だけどお主とて疲れたら優しくして欲しいじゃろなあ。でも誰もやってくれんじゃろなあ。
だったらわしがそれやるわい。
やるべきことやってなかったら、ちゃんとケンカしてやるし間違ってたら怒ってやる。
最後は褒めてやる。
こんなこと、ヒロポがハタチになるときに言ってやりたかったもんじゃなー。
あ、ヒロポよ。
ハタチちょっとで死んだお前の友達のサム殿、こないだあの世であったけど元気じゃったよーん!