!オカルティスト!

「先生!この部屋、なんかいる!」


ヒロポは小学校で働いている。
今日、図書室で宿題をしていた女子ふたりに話しかけられた。
どうやら、若きオカルティストらしい、電波子ちゃん(メガネ)と電波美ちゃん(ぼーっとしている)は3年生とのこと。
これは、将来立派なオカルト肯定派になってもらわねばと判断したヒロポは、学校じゃ教えてくれない、大人へのステップを叩き込んだ。(ヒロポが図書室で夜ひとりで仕事をしていると窓から女の人が…などベタな話で、やたら説得力を持たせて「幽霊はいる」という論を説いた。)


「せ、せんせい、怖くないよ、だってね、だってね、わたし、幽霊みたことあるもん、今日持ってる本も全部怖い話!」(キョドり気味だよ電波子…しかも3冊も怖い本持ってた!将来有望)


学校中に、もの悲しい音楽と共に放送が鳴り渡る。
彼女らとヒロポは宿題そっちのけで、話していたので、いつの間にか下校時間になっていた。
電波子ちゃんと電波美ちゃんは顔を見合わせ、
「絶対図書室にはなんかいる!」と叫び出した。
そこでヒロポは、とびきり不気味な声で、
「…さよぉ〜ぅならぁぁ〜!」
と、言った。