今日はバンド活動初心者とライブハウスの関係について書きますじゃ。
バンドがライブやるとき、だいたいライブハウスからノルマが課せられる。ノルマと聞いただけで失神しそうになるのでここではノムラと表してワケわけわからんことにします。ノムラよ、準備はいいか。
ライブハウスからだいたい30分の演奏時間と1500円×20人とか2000円×15人とかのノムラが与えられますじゃ。3万ノムラじゃな。安いとこじゃと10000円切るとこもありますじゃ。中には21人以上はチケットの50%バックするけどそれまでは全部ライブハウスに納める実質ノムラ無しというところもある。
一方バンドは無名である以上お客さんなんか来るはずもなく、はじめは学校や職場の友達が何人か来てくれてもライブ３回４回と重ねる内にお客さんが３人とか多くて５人とかが続いて結果ライブやるたび２万円支払ったり機材費合わせて２万５千円払ったりとぷぎゃーな事になる。ライブ、月何回やっとる？ バイナリキッドは一時、４回以上目標でやっとった。
一晩に何バンドも出るライブイベントでは各バンド毎にお客さんの予約取り合戦になる。仮にＡとＢいうバンドのお客さんが被っている場合、Ａが予約特典を付けた場合、予約特典分のリスクを負うことでＢのお客さんを総取りすることができる。友情と引き換えに。
ちなみに次回11月29日「ＴＯＫＹＯディスコモーターショウ！」でもＤＶＤの予約特典があるが、主催のBoogie the マッハモータースが全てのリスクを負って企画制作しておるし、各バンドの予約をまとめてイベント全体の収益として考えるという男気溢れる行為によって成り立っておる。ということでこのイベント、ぜひご来場を！ ご予約はバイナリ公式サイトやmixiで！ 孫のやつがマコジェットに「いっぱい呼ぶ！」って言ってしまった！
ところで予約特典の定番といえばステッカーやCD-Rじゃが、かつてとあるバンドが２人組の時にいくつか変な予約特典をつけていたので紹介じゃ。
・ゆでたまご(２人のプリクラ付き)
・トイレットペーパー(ロゴ入り包装紙付き)
通販のおまけで「お姉さんの陰毛」をガムテープで剥がして送った事もあるらしい。姉なんていないのに…。
そのバンドは今度ＤＶＤ出すそうじゃが、最高にイカしたステッカーが付いてくるらしいぞよ！ 陰毛については反省しとる。あうう。
さてドリンク代というライブハウス通い初心者には「なぜチケット代に含めない？」と思わざるを得ない料金も発生する。声高に「500円御用意下さい」なんて言われて。なぜジュースが１杯500円！？ つか某ライブハウス630円てのは用意し辛いぞよ！
このドリンク代てのは全てライブハウスの儲けになる。わざわざドリンク代の500円を別払いするのはそのためじゃ。ライブハウスを仮に「照明や音響施設が備わったでっかいスタジオ」と捉えた場合、通常の練習スタジオとの支出の大きな差は機材を操作するスタッフの人件費となる。決して高くはない給料で毎日爆音の中音楽を愛して働いている方もおるし、愛してるったって言葉ばかりの糞野郎も大勢おるので追加ドリンクを頼むかどうかはおぬし次第じゃ。
ライブハウスを借り切ってイベントを企画する場合はだいたい安くて10万のノムラが課される。ちょっと立派なとこや、土日祝だと15万、20万ノムラ。中には60万ノムラとかも。街のライブハウス恐るべし。10万ノムラ＝2000円×50人という事じゃな。
よって、バンドは大変なリスクを負ってライブに挑むわけですじゃ。「ノムラは人数保証の約束」と言いきるライブハウスもあるが、誘っといて「金払え」というのも図々しい話。そりゃライブしたいけど。ノムラに見合う働きをライブハウスはしとるのか？ という話。何したらいいかわからん方は適切なブッキングと中打ち(終演後の打ち上げ)やって欲しい。これ、意味が判るバンドには判るから。
あと個人やバンド主催でイベントをやる際には赤字が仮に出たとしても出演者から金を巻き上げる事はせずに顔で笑って心で泣いて、明日からまた元気に働くことじゃ。
イベント全体で黒字だとしてもバンド単位で赤字の場合がある。企画者に金を巻き上げられる事もあるが、「お前はなんて糞野郎だ！」と口に出して言ってみよう。「へ？ なんで？」って言われるから。おぬしは間違っておらんよ。アホなのはその人。
と、こんなお寒い事情は諸君が詳しく知る必要ないかも知れんが、バンドはじめたばっかの方は勉強になったろうし、冷や汗かいたり逆ギレする方は身に覚えがあるんじゃろうし、なるほど、と思って読み切った方もおる事じゃろう。いいか悪いか別てして流行りの事業仕分けじゃーい！
バンドを育てようともイベントの宣伝もせずに金だけ頂戴するライブハウスは「ノルマ」なんて言わずに「維持費」とか「人件費」を「すみませんが払って下さい」て言わんから気持ち悪い。イベント屋さんにしてもしかり。上から目線の資本はマジで潰れると思うし、潰れて欲しい。何より音楽を愛するライブハウスやイベンターはがんばって欲しい！
ちゃんとおもしろい事やれるやつは出演者もお客さんも満足するはずじゃ。
それが「金なんかじゃねー！」って事に繋がるんじゃよ。
