■ポケモンレポート書きかけで電源消しちゃう


お父さん、逃がしてしまったポケモンはどこへいくの?
「おまえと違うトレーナーに育てられて、幸せに暮らしているよ。きっとね」

もうすぐブラックとホワイトが出るから欲しいな。ちゃんと予約してある?
「もちろんだよ。先生の言う事ちゃんと聞いているからね」

お父さんはブラックやってね。僕はホワイトやるから。新しいポケモン捕まえてバトルしようね。お父さんには負けないよ。お父さんすぐにポケモンレポート書きかけで電源消しちゃうから心配だよ。
「わかった。レベル上げがんばらなくちゃな。さてもう面会時間終わるから、父さんは行くぞ」

「先生、息子はあと何日持ちますか」
「もう、長くはないでしょう。覚悟はしておいてください」
「明日息子が楽しみにしているゲームの発売日なんです。私と一緒にやるのを楽しみにしているんです」
「善処いたしますがなんとも言えません」


 お父さん、にんげんって死んだらお星様になったり、天国に行ったり、また生まれ変わったり、昔の人っていろいろ考えたんだね。だったら僕は、ポケモンになりたい。
 そしてまたお父さんに育ててもらいたいよ。たまごからかえって、レベル100まで。今度はじこさいせいもおぼえるから、ずっと大丈夫だよ。
 お父さん。
 僕の事もポケモンレポートにちゃんと書いておくんだよ。
 やくそくだよ。
 すぐに電源消しちゃだめだよ。







がんばれ。
もうすぐ発売だよ。