■ナタリーにはじめて名前が載った

 金曜日の福岡での「さそり映画上映会」で『カルトムービー』観ていただいた方ありがとうございました。さそり監督の映画って最近話題の某新興宗教のDVDくらい強烈です。


 もうひとつ、映画の話題を。
 今年のクリスマス、12月25日にいよいよ『たまの映画』が公開されます。
 伝説のバンド「たま」の元メンバーを現在を追ったドキュメンタリー映画で、どんなジャンルであろうと、音楽を愛する方にはぜひ観ていただきたい内容です。もちろん僕も観に行く。



 この作品、クランクインは昨年の7月3日。
 当時石川浩司さんのマネージャーだった桃さんと僕が企画した石川さんの生誕前夜祭イベント『すきなよ〜にすれば』でした。セッションのシーンで、僕も映画本編にちょびっと出ています。予告編には僕は出ていませんが、ちっちゃく名前が載っていてうれしかった。


 監督に今泉力也くん抜擢というのも素敵。もうあれから3年かぁ。(あれから→http://d.hatena.ne.jp/hiropooooo/20070506/
 とてもいい映画撮る人だと思っていたけど、ついにデビュー作品だね。すごいね。もうなんていうか、この作品、よくぞ完成させた! お疲れ様!! 上映会行けてなくてすまん許してくれ! よりいっそうはばたいてくれ!



 予告編がYouTubeに公開されていたので載せておきます。
 早く劇場で観たい!!

 


 この予告編の最後に、石川さんが昔、歩道橋でギターを弾いて練習していたと言っています。


 石川さん・・・・・・。
 実は、僕は昔この事を知って、「よーし、僕も!」と、同じことしてたのですぜ。
 

 出来立ての曲たちを歩道橋で歌いまくって、たまに後ろを誰かが通るもんだから結構恥ずかしくて。「がんばってね」なんて言われちゃったりして。しかしさ。映像を見て気付いちゃった。


 石川さんが練習していたのはもう一個向こうの歩道橋じゃないか。
 僕が練習していたのは、映画の中で知久さんと石川さんが歩いている歩道橋だった。
 つまり、僕は、石川さんが昔、練習していた方向に向かって歌っていたんだ。
 なんだかさー、今も、そんな感じがする。
 僕は石川さんのような芸術家を目指しているのかも。
 大それたことだけど、僕も本物の芸術家になりたい。


 「がんばってもダメ」「お前には才能も運もない」。
 信頼できる仲間と離れ離れになって、毎日そんな風に考えてる。
 もう「僕には表現なんてできないんじゃないか」と、考える。
 バイナリキッド休止後、ドタマカチワルドで何度か演奏をしたけど、何か煮え切らない。
 なんでなんだろう?
 それは、「自分がいま本当に歌いたい事を歌えていないからじゃないかな」と思う。


 ダサくても、下手でも、自分がやりたいことやってきたじゃん。
 それ、やったらいいじゃん。
 そう自分に言い聞かせて、少しずつ、新しい歌を作っている。

 毎日、「おまえ才能無い!」と「やりたいことやったらいい!」が頭の中でごちゃごちゃうるさくてかなわないけど、まだ、僕の中から「やりたいこと」が沸いてきてる。僕は最初っからそうで、よく「えー? ダメじゃん」と言われてしまうんだけど、何万枚も売れる歌を作ってファンに囲まれてヒューヒュー言われたいわけじゃない。誰かほんのちょっぴりの人でもいいから、「こいつはすげぇ!」と思えるようなモノを作りたい。しかしそんな事僕にはできないかもしれない。ていうか出来ないだろう。つらい。いまでも、悲しいことたくさん思い出してしまう。でもやるだけやるしかねー。
 才能無いのかも。そもそも僕が音楽やりつづける必要はどこにもない。
 「これってそろそろ潮時ってやつか?」
 と思ってしまう。なのにまだ、エネルギーのようなものが沸いてくる。それを手がかりに、一行目をやっとの思いで書いて、結局、、、消してしまう。
 そうこうしているウチに、いつの間にか自然に出来た歌だけを演奏したい。
 つらくて嫌になるけど、僕にはこの方法しかない。



 来年の石川さんの誕生日イベント、既にいろいろ考え中です。
 石川さんにとっても節目だと思うので、石川さんや、石川さんのことが好きな人にとってとびきりの記念になるものにしようと思っています。




『たまの映画』の公式サイトも出来ていました。
 http://www.tamanoeiga.com/


 石川浩司さん、滝本晃司さん、知久寿焼さんのライブ会場では特典付きで前売り券購入できるらしいです。さすがに毎ライブではないかもしれないけど。
 ローソンは発売中、ぴあは来週から取り扱いが始まるとのこと。
 


 この映画はテレビ局がモーレツにプッシュして全国一斉上映! 興行収入何億円! なんていう映画ではないし、宣伝もままならない、もしかしたら君んちのお父さんなんかまったく興味を持たない作品かもしれないけど、僕はそれが“たま”本来の姿と一緒だと思ってしまう。
 ずっと自分のやりたいことをやりつづけた元“たま”の方々が映し出されているので、今の彼らの事が好きな人にぴったりだと思います。少なくとも僕にはぴったりの映画です。
 たまの事をこれから知ることになる人でも、音楽や、まんがや、映画などが好きな人だったらぴったりしっくり来る作品だと思います。


 さて・・・・・・歌の続き、作ってくるね!!!