月曜、主催イベントやった。
ふーてんきの章さんとごっこレーベルの僕で共同企画。
僕としちゃ、いろいろ「このやろー！」と思ったことがあったので、安くておもろくて魂ゆさぶるようなイベントやりたくて。
あと狂犬の中の狂犬が高校生の内に東京でライブしてもらいたくて。
章さんは単におもろいことやりたいだけなのかな。
最初に話が盛り上がったの馬橋公園で。
章さんと寒い寒い言いながらひなたのベンチ探して話ししたのが11月だっけ。
イベント終わったから、書いとく。
3月11日の地震。日本中がめちゃくちゃになってしまった。
これから書くのはあの地震から１週間くらいの間に起こったことや僕が考えたこと。
そして3月28日のイベント終わって今に至るまでの事。
地震があって、僕が受けた被害で一番大きかったのは幸運にも自分の脳ミソの混乱だった。
おかげで激難クイズ問題「正しいことと正しくないことの見分け方はなんでしょう？」の答えを出そうとしてしまった。
だってテレビで毎日地震でぶっ壊れた家、津波に飲み込まれる街、震災で困ってる人たち、原発やばい電力足りないやばいやばいってやってるもの。
今必要なものは？ 利便さとは？ 生活とは？ 命とは？ 人間とは？
僕は切実に、何かしなきゃならないと思った。
「義援金集めよう」「演奏は省エネでやろう」そう思って、出演者やスタッフさんにメールしたり電話したりした。
程なくして、章さんから連絡があった。
「そんなんあかん。最初の通り、ふつーにやろ」
え、でも、めっちゃ困ってる人いる。
僕は章さんも僕と同じ気持ちだろうと思っていたけど違ったのと、イベントやろうと思った最初のコンセプト変えて他の出演者さんに自分の考え押し付けるようなことをしてしまったことを恥ずかしく思った。
章さんは最後に「来週になったらわかる」と言った。
そして章さんの友達が東北で被災していることを教えてくれた。その人からのメールを、僕に転送してくれた。
章さん自身も阪神大震災の被災経験者でもあった。
章さんと話したことで、ちょっとずつ、僕の脳みその揺れがおさまってきた。
「いいことをしなきゃならない」という思いは、強迫観念みたいなもので、僕は何千万円も募金できる有名人でもないし、義援金集めようって言ったってきっとせいぜい何万円。
それに、何より募金は「させる」ものではなくて「したい人がする」ものだと思った。
僕は募金させられるのが嫌だ。そんなの、僕の意思で勝手に募金する。
他人に募金しろなどと余計なことは言いたくないと思った。
それより「来週、どんな世の中になっていて欲しいか」それを考えた。
僕がこんなに脳ミソおかしくなったのは、たぶん「気晴らしにテレビ付けたら気が晴れるどころか気が滅入る」からだと思った。
やっと予定通りの番組が始まってきたは良いけれど、テレビ画面には字幕付きで地震速報をはじめ、僕の手に負えそうに無い、とんでもない情報が次々と映し出された。
「あの字幕の野郎が消えて、さっさとくだらないテレビ番組が見たい」
そう思った。
洗脳だよ、あれ。「見なきゃいい」ってモンじゃない。
見なかったら、何にもわからないもん。
代表でテレビと書いたけど、もちろんテレビだけじゃない。ツイッターもラジオも勝手に情報を提供してくれる。
職場では一通の携帯メールから小規模の集団パニックが起こったし、実際あの頃は東京も余震が頻繁に起こっていて、僕も「もっとめちゃくちゃなことになる」場合の事を自然と想像してしまっていた。
嫌だった。そんなの。
だから僕は「“普通”をやろう」と思った。
僕たちのイベントに来てくれた人に僕たちの普通であるめちゃくちゃなライブやってる姿を見てもらう事が、「世の中から字幕を消す」ことだと思った。
章さんだけじゃなくって、いろんな人が僕にそれを教えてくれた。
もう一回みんなに連絡しなおして、謝った。
イベントは月曜だったし、チャリティーイベントでもなかったけど、お客さんはゼロじゃなかった。
目標まで及ばずだけど、そんな目標どーでもいいといえるくらいたくさんの人が来てくれた。
行きたかったけれど行けなかった人がいることも知ってる。
だいたい、メインで呼んでる狂犬の中の狂犬がキャンセルだし（笑）。
章さん、ハジメタルさん、カミイ君、小銭さん、小宮さん、原田君、成君、野兎さん。
ミシガン、ぐ、それにスタッフの方。
ありがとうございました！
みんなのライブ観て、音楽は生き物だと改めて思った。
音楽ってただ、音がなってるだけじゃない。
ただ、音色と音階とハーモニーとリズムがあるってだけじゃない。
人間が作ったんだ。
あの気持ち、忘れたくない。
原子力発電所も作れる。
よかれと思って迷惑かけちゃう。
自分だけが悪いと思って悲しくなっちゃう。
そんな人間は音楽も作れる。
これって僕たちの脳ミソの中で一体何が起こっているというんだろうか？
今回のイベントはライブフォトグラファーの歪さんが撮影してくださった。
歪さんは僕が前にやってたバンドをひいきにしてくださっていたのだけど、ドタマカチワルドはまだ撮影してもらっていなかった。
でも僕は歪さんに「写真撮ってください」とお願いしたくなかった。
カメラマンである歪さんから「撮りたい」と思ってもらえるバンドになる事が僕の目標のひとつだったから。
イベントの前日に歪さんから「ライブ行くよ」と連絡があった。
僕にとっては「久々にセッションしようぜ」という意味と同じだった。
もちろん「いいっすよ〜！」と返事した。
歪さんの作品はこちら↓ mixiやってる方是非！
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?owner_id=426117&album_id=500000015128318
イベントって、いろいろと配慮が足りない部分があって、大変申し訳なかったとも思ってる。
こんな日記も、恥の上塗りなんじゃないかとすら思うし、誰かの迷惑になってしまうんだとも思う。
なんだか地震があろうが無かろうが、たぶんいつだって変わらず、僕は自分のこと「どーしよーもねークソ野郎」だと思っちゃう。
しかも人からそれを指摘されると落ち込む。めんどくさいやつだ（笑）。
そんなやつをこの世に生み出した僕の母も、今関東に住んでいて、今回の震災でちょっとまいっていた。
だから誘ってみた。イベントに。そしたら来てくれた。
息子のライブを観た母からのメールをさらすことにする。
日時: 2011年3月29日17:55:59 JST
件名: お疲れさま昨日超楽しかった♪
ドタマカチワルドが一番盛り上がり[ﾋﾟｰｽ]
ぐちゃんの可愛い声とヒロとミシガン君とピッタリ息があってるね♪上手くなったね♪
学生グループの歌もよかったね。歌詞が好きかな[ﾋﾟｰｽ]
ありがとう[ﾊｰﾄ]
学生グループって･･････カミイショータグループの事ね。
章さん率いるGarapanzooの事は「おもしろかったわよ。演奏としゃべるリズムが合ってたね」と言っていた。
即興でラップしてるの！
しかもハジメタルさんの頃には帰っちゃうし！ かんべんしてよ〜。
でも、まあ、ありがとでした[ﾊｰﾄ]
最後に。
家に帰ったら、地震や放射能や親に怒られるのが怖かったのか東京行きのバスをキャンセルした、京都の高校生バンド狂犬の中の狂犬からメールが来ていた。
日付: 2011年3月28日16:00
件名: （件名なし）
僕達は今 、夢にまで見た東京ライブを断念し温泉旅行に来ています。
狂犬の中の狂犬も汗を流して頑張ってますので皆さんも最高のライブにしてください。
狂犬の中の狂犬 一同
おｗｗｗまｗｗｗｗえｗｗｗｗらｗｗｗｗｗ
提供してくれたＣＤ全部売っといたからな！！！
君らが望むとおり、募金箱にぶちこんどいたるわい。
