■タクシーの運転手との会話を盗聴している人の話

あけましておめでとうございますですね。
地球が太陽の周りを一回りできる事自体が奇跡としか言いようがないもんな。あけおめ&ことよろ、いい言葉だ。
 
 

さて、明日はライブやる予定だったのだがコロナが猛威をふるいやがったせいで延期。ソノシータ@が誘ってくれた2マンイベント、野獣のリリアンも時間たっぷりでやりたい放題のはずだったのだが残念。畜生。


そんな2021年、小3息子が
「コロナは人間がいないと生きていけないから人間を絶滅させることはないと思う」と言っていた。たしかにコロナの立場になってみたらたまったもんじゃないよな。しかし頼むから君はコロナならんでくれ。
 
 
で、昨年末、今村くんに会った話。
今村君くんとは「あこがれパンヅ」というユニットを不定期ながらやっている。
友達同士、曲を持ち寄ってジャカジャカやる健全なユニットという仲なのだけど、今村くんという人は何というかとても可愛らしくて鋭い人で、歌声も話の内容も僕にとっては最高に素敵で、僕があいたくてあいたくてあいたくて今日もわたげをとばしてる人。
そんな人に、
「クドウさん、CD-R作ったんですよ、あげます!」
なんて受け取ったその内容が凄かった。
 
「友達の趣味が『タクシー運転手との会話を盗聴する事』なんですけど、その盗聴にクラシックとかジャズとか色んな音を重ねたんです。はじめてガレージバンド使ってみたんですけど、楽しくて気付いたら朝方になってました〜」
 
これは凄そうと思って聴いてみると、雑談スキルがめちゃくちゃ高い「友達」の会話に乗せられ、盗聴されているとも知らずに生身の人生でぶつかるタクシー運転手の会話内容が台本もないはずなのに展開されていた。「店を持ちたいんですよ」「あれ?なんでこんな事までお客さんにしゃべっちゃてんだろ」夢を語るタクシー運転手最高にすげーじゃん!!!!
 
これ売ってんの?
「いや売ってないです。その友達にあげた分と、クドウさんの分くらいしかないです」
ラストに収録されている今村くんの歌『タクシードライバーとことば』が名曲なのだが!
 
 
あなたは「ビビッとくる」みたいな瞬間、経験した事があるだろうか。
『友達』さんがタクシー運転手との会話を盗聴する事に「ビビッとくる」人で、今村くんは惚れ込んだ人からインスピレーションを受けると「ビビッと来る」人なのかもしれない。
 
僕は今村くんからこのCD-R『Driven taxi drivers  under KOTOBA(コトバのもとで運転するタクシー運転手)』をもらってから、作業机からすぐ手の届く場所に飾っている。ジャケットのイラストは今村くんが描いた。売り物ではない、『友達』へのプレゼントなのだろう、そんなこの一枚が愛おしい。金の為でもない、芸術の為でもない、やりたいからやるものってほんとに心を打つ。