2007年９月14日金曜日23時55分。
ヒロポとミシガンはエンジニアとむとむの家を後にした。
バイナリキッドのＣＤが、ついに、ミックスダウンを終えた。全10曲、アルバムの最初から最後まで聴いた。ぼくら、やっとここまで来れた。こんな凄い音楽ができるとは！みんなでミックスのため、これまで、何百回と聞き返した曲たち。ほんとに細かい修正はまだあるけど、あとはとむとむに任せてヒロポとミシガンは終電間際の電車に乗り込んだ。ホントにすごいアルバムになっちゃった。ゲスト参加してくれたミュージシャンの方々、ありがとうございます！発売を心待ちにしてくれている方々、もうちょっとで完成です！
ミシガンはとむとむにMIDIキーボードっていう打ち込み用の楽器をもらって、きのこ頭のくせして喜んでた。ミシガンはこれまでマウスだけで曲作ってたんだよ。コードは「Ｃがドミソ」しか知らないのに。ヒロポはメジャーとマイナーしか知らない。バンドなんかやめちゃおうかと思ったこともあった。でも、音楽が好きで、おかしなバンドはじめてさ。もーライブもわけわからんしさ。ＣＤまで作っちゃうなんて、すごくない？
あと発売までにはジャケットの制作、歌詞カード制作、お金をなんとかしてプレス、とか。一ヶ月後には発売出来てるはず。早く聴かせたいよ！
というわけで、今日もいろいろやんなきゃいけないんだけど、ここ数ヶ月ＣＤのことばっかりがんばってて、うれしいんだけど疲れちゃって、今、なんとなくシャボン玉飛ばして遊んでる。ボーッと考え事しながら。
シャボン玉は空を飛んですぐ割れちゃう。でももし割れなかったら、どこまで行くんだろう。
割れないシャボン玉が屋根まで飛んで、雲の上までも飛んで、海を渡ってさ。アラスカで風船おじさん見付けてさ。スフィンクスになぞなぞ出してさ。ガンジス川に4000年前前から流れる死体を見つめてさ。ルーブルで本当の祈りを知ってさ。
シャボン玉の表面には全てが映ってくるくるくる回り続けてる。
最後に、目の前でくるくるくるくる回って、
「パチン！」
て割れちゃえばいいのに。って思う。今すごく静かだから、割れる音もよく聞こえると思う。
そんなときのシャボン玉の中身には何が詰まってんだろう。やっぱり何も詰まってないのかな。そんなわけない。何かあるはずなんだ。と思う。
音楽もそんなシャボン玉と似てる。
たくさんシャボン玉飛ばしといたから、今日の日記読んでくれた人の目の前まで飛んでけばいいのに。とか考えてて、さすがに恥ずかしくて死んじゃいそう。
