ダンゴ・ダンゴ・ダンゴ!〜彼がダンゴムシを集める理由〜という話

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そしてまた息子の日々についての話。
写真はまだ経過途中。この後180匹もダンゴムシを集めたらしい。
 
夏の初めのころ、虫好きの息子が公園で、蚊に刺されながら一心不乱に収集していた。
今更なぜダンゴムシ
すでに我が家のベランダで繁殖させているくらいなのに。
聞いてみると彼にも考えがあるようだ。
 
・学校の生活科の授業で生き物博士になろうという単元がある。
・生き物を提供してくれないかと、先生から呼びかけがあった。
・筋金入りで生き物好きの息子は「ヤゴを持ってきます」と言ったが「それはいけない」とのこと。
・ならば「イモムシはどうですか。蝶の幼虫です。成長が観察できます」と伺いをたてると「そもそも幼虫はいけない」との返答。
・であれば身近な虫の代表「ダンゴムシ」を「クラス全員に数匹ずつ十分行き渡らせて1匹いっぴきの違いを比べられるくらいの数量集める」という事をしよう!
 
こんなにたくさん集めて、幼虫はいけないなんて考えの先生に対して、認めてもらえるのだろうか。その前に幼虫の何が悪いのか、死が悪いとでもいうのかな。飼うの難しいと言われたようだ。
ともかく今回の単元におもいっきりわくわくしている彼。おそらく虫好きの友達が欲しいのだと思う。
小学2年生。クラスに馴染めていないわけでもなく、休み時間や放課後もクラスメイトと遊んだり楽しく過ごしている。
けれど、僕にいつも話してくれるように、どうやったら人間と生き物が共生できるかや、生き物はなぜ今のような進化を遂げたのかを一緒に考えてくれる友達。親友と呼べる、本当の友達が欲しいんじゃないかな。
彼は日々、虫が苦手な人に虫のおもしろさを伝えようとしている。
 
こんなことがあった。
いつだったか、宿題の日記を書きたがらない息子に言ってしまった。
 
君はラジオで昆虫の先生とお話しできたもんだからツイッターで蝶道ボーイなんて呼ばれて、先生からも凄いじゃないかと褒めてもらって、でも文章に表していないのはどういうことなんだ?
虫の研究をしたい、むしろ今してるなんて言ってるのに、自分の興味の中で完結してるじゃないか。
昆虫学者の先生たちなんて、みんなに生き物を好きになってもらう為のいろんな活動をしているんだ。
研究者になりたいなら、まずは日記くらい書いたらどうだ。
 
ただ「宿題しなさい」というのでは納得しないと思い、こんな風に伝えてしまった。
 
本当は、僕は、彼にずっと楽しいことだけやって過ごしていて欲しい。
嫌でも大人になるとだんだんつらいことの方が多くなってしまうから、せめてこどもの頃くらい楽しい思い出で埋めつくしてやりたい。
大人たちは平気で言うよ。
ダンゴムシがうじゃうじゃいて気持ち悪い」って。
人間だって、うじゃうじゃいるのにな。
後日、集めたダンゴムシがどうなったのか息子に聞いてみた。
先生が受け取ったのは5匹だったんだって。
息子は別に、悲しんではいなかった。
あまりの量に笑ってくれたクラスメイトもいたみたい。
 
それにしても思う。
「1匹ずつ名前をつけたりしたら虫が苦手な人も愛着が湧くと思う。みんなで生き物博士になれると思う」
すごくいい考えだよ。学校では難しいと思うけどさ、こんな気持ち、ずっと忘れないで欲しい。それが僕からの宿題だ。
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