「愛しさと せつなさと 江古田制覇と」 フライングティーポットにて

ヒロポは思った。

「ヒロポがライブに行かなかったら、ミシガンはたったひとりで何をするんだろうか?」

スネアを前に、呆然と立ちすくむミシガン。

を、想像しただけで、それってすげえライブになるんじゃないかって思ったんだ。

ヒロポが家でぼーっとそんなことを考えていると、ミシガンから電話。

「ヒロポくん、おめー何してんの?こなかったらマジ・・・・・・殺すよ?」



なんか、ひどくカオスなライブだった。

観てた人はずいぶんと引いていた。

彼らの反応は、苦笑と伏せた目で、手に取るようにわかった。

お笑いみたいなおもしろMCなんてほとんどしなかった。

最近ヒロポはライブを盛り上げようとか思わなくなってきたんだ。

とにかく、ライブのときくらい、メチャクチャになりたいからさ。



そうしたら、観に来てくれた人のひとりが会場を暴れまわって大変なことになった。

「来い!来いよ!」

って客席に向かって叫ぶ、テーブルを持ち上げて振り回す。とか。

そいつはヒロポの知っている人で、名前は伏せるけど、一ヶ月くらい前に引きこもりから脱出して、そんでわざわざバイナリキッドを観に来てくれたんだ。いいやつだよ。



彼は、主催者に連行されていった。

ヒロポは主催者のトコまで行って、彼の手を取って連れ戻そうとしたんだ。

ちんちんのあたりが、「モジョモジョ」なった。

哀れみとかそんなんじゃない。

怒りだ。

人のライブで暴れまわって客を引かせた彼への怒りと、主催者の「ケジメですから。」という言葉を理解してしまうと同時に、ライブ観て暴れることの何が悪いんだという、彼を連れ去った主催者への怒りと、結局彼を連れ戻すことなくステージへ戻った自分への怒りで。



最後は乱暴な演奏で『君が描いたマンガの世界』と『333カラトビオリロ!』をやって、ギターを叩きつけたら、ノイズしかでなくなって終了。




これ以上ギター壊してどうすんだ。



というわけで、しばらくバイナリキッドはライブしません。

ヒロポは5月21日(月)に円盤の即興イベント「円盤道場」に挑戦します。

今度こそ優勝しないと、生活費すらない。


来てくれた人、ありがとう。
今日のライブ楽しかったよ。

「愛しさと せつなさと 江古田制覇と」

日時:5月10日(木)

会場:江古田 Cafe FLYING TEAPOT -http://www.geocities.jp/flyingteapot1997/index.html

開場:17:30 開演:18:00

出演:シャドルー/浪漫、もしくはアンチテーゼ/菊池勇太/ちくびたいけん/バイナリキッド